↑ 極端に開かない例(右)を作るために蒸気・霧を省き焼成しました。 それでもわずかな油脂の力で、これだけクープが開きます(左)。 クープは脂ぎっていませんね。極めて少量だからです。
クープが開かないのは、生地側の原因、窯側の原因、 あるいはそれらが重複している場合もあるの。 (詳しくはリーンなパン講座参照 old diary 6/22〜7/3)
クープが開く条件として、水蒸気の存在は、かなり重要。 細かい水の粒子が生地に付着し、皮が焼き固まるのを遅らせ、 窯伸びを助け、その結果クープが大きく開くのです。
ところが家庭用の電気オーブンは 基本的に水蒸気を注入することができない。 簡易的に霧を吹くという方法もあるけど、 水蒸気の状態、量は、決して充分とはいえません。
ガスオーブンは、小石を焼き水をかけることで水蒸気をたてられますが 強烈なファンが、水蒸気をすぐに吹き飛ばしてしまうので 条件が悪いとクープが開かないこともあり これも初心者にとって完璧な手段ではない。
つまり多くの場合、クープが開かない原因は 開く前に、熱あるいは風(ファン付きの場合)により 切り口が【乾燥】し、【伸展性を失っている】ことにあるのです。 まあ、窯側の潜在的な原因、とでも言うしかないですねぇ。
はい。ということはクープの【伸展性・柔軟さを長時間キープ】できれば 理論上クープは開いてくれるわけですね。
そこで裏ワザ伝授です!
油脂の力を借りましょう!チーズやバターをのせたクープは 実にきれいに開くことを、パンをよく焼く皆さんはご存知ですね。 油脂は加熱されてもすぐに生地にはしみ込まず、 【生地表面でクープの乾燥を防ぐベールの役割】を果たしてくれるのです。
では、具体的な方法です。 上の画像のようにクープに油脂を極細く絞ってください。 無味無臭のショートニングなら、パンの風味に影響を与えません。 多少の風味がついてもいいのなら、バターやマーガリンでも可。
焼成後が下の画像。 どうですか、すぐにやってみたくなったでしょう。(^^) ただし、この裏ワザは、生地側に重大な原因がある場合は、 効果がないことも。その際はなにとぞ御了承くださいね(^^A
明日はユズ!
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